お遍路というのは人生そのものなのかもしれない、と感じました。
上り坂もあれば、下り坂もある。晴れの日もあれば、雨の日もある。
一期一会の出会いで薄い縁かもしれないけれど、出会った人の人生から気づきを得ることもありました。
田舎道、舗装された道、泥まみれの道、草が生い茂っている道、海沿いの道…実に色々な道がありました。
一つとして同じ道がないように、そして同じ出来事が起きないように、人の人生というのは実にオリジナリティに溢れたものなのかもしれません。
私たちはつい「誰か」になりたがりますが、本当は誰かになることなんてできないのかもしれません。
私たちは「自分」にしかなれないのだと思います。「自分」というのは魂の存在としての「本当の自分」というもので、それになるためにこの世に生まれてきているのでしょう。
誰かの人生は参考にはなるでしょうが、それがあなたにそのまま当てはまることはありません。誰かになりたくなるかもしれませんが、あなたは自分の存在から離れることはできません。
あなたの人生はあなたしか歩めない。あなたは自分にしかなれない。