導きのお遍路 救済編

ありがたいことに、お遍路中は多くの方々にお接待をしていただいたのですが、中でも印象に残っているのは次の二つ。

どちらも5日目にいただいたお接待です。

この日は神山町(焼山寺からずっと降りてきたふもとにある温泉街)から13番札所の大日寺を目指して17番札所の井戸寺を目指すというコースでした。

午前中に歩いていたときに、大日寺付近でどこか昼ご飯を食べるところを探せばいいかなぁと思いながら歩いていたのですが、それが大きな誤算でした。13番札所の大日寺付近にはレストランや食事処がほとんどなく、しかも廃業してしまったり、コロナの影響で営業していないところもありました。

午前中に見つけたコンビニで何かしら買っておけばよかったのですが、食事処を当てにしていたため買わず。お遍路のコースから外れれば何か所かコンビニやレストランは確かにあるのですが、炎天下で熱中症のリスクもある中、無駄に歩きたくない気持ちの方が強かったです。

13番大日寺の納経所で付近に食べ物屋さんが無いので15番国分寺の方で探すしかないとの情報を得て、仕方がないので歩き出すことを決意。

ただ、そこでふと思い出したのが、大日寺に来るまでにとある女性からいただいた飴でした。最初の画像にある5個の飴ですね。

何も口の中に入れないよりはマシ…と思って一つなめながら歩き始めたのですが、これが意外と気晴らしになりました。確かに空腹なのですが、何かを口に入れているので、空腹を誤魔化すことができたのです。

ゆっくりと、噛まずに、味わいながら飴をなめました。普段だったらある程度小さくなったら噛んで食べてしまうのですが、この時ばかりはじっくりと、味わうように食べました。

14番常楽寺、15番国分寺と飴をなめながら(勿論、お寺の参拝時にはなめていません)歩き、空腹感を誤魔化しながら16番観音寺に向かう道を歩いていました。その途中で、いよいよ最後の飴が口の中で消えてしまったのです。

観音寺のお参りが終わったら食べ物屋さんを探そう…そう思いながら、再び襲ってきた空腹に耐えながら歩いていました。この時、時刻は13時過ぎ。大食いで消化が早い僕にとって、朝6時の食事から6時間以上も何も食べないというのは耐えきれないレベルの苦痛でした。正直、山道よりも空腹の方がつらかったと思います。

そんなこんなで頑張って13時30分頃に16番観音寺に到着してお参りを済ませ、境内で少し休んでいたら、とある女性に声をかけられたと思ったら、あいさつもそこそこに、その女性から、2枚目の写真にある食べ物(トマト、チーズ2つ)と凍らせたアクエリアスのお接待を受けたのです。

空腹に耐えていた僕にとっては、それが素晴らしいごちそうに思えてなりませんでした。今でもあの時食べたトマトの甘さ、チーズのおいしさ、アクエリアスの気持ちよさは忘れません。

どうしようと困っていた正にそのタイミングで、救いの手がどこからともなくやってくる。実に不思議です。

ちなみにその女性は観音寺付近に住んでいる方で、たまに観音寺にやってきてはお遍路さんにお接待をされているという素晴らしい方で、コロナの影響でずっと観音寺に来てはいなかったらしいのですが、この日は久しぶりに来たとのこと。

その女性と別れて17番井戸寺に向かう道中で思ったのは、この日起こった出来事は引き寄せの法則であるかもしれないし、キリスト教で言われているところの「求めよ、さらば与えられん」かもしれないし、シンプルに「ご縁」というものかもしれない…いずれにせよ、何かしら「宇宙」や「人智を越えた何か」といった言葉で表現されるものが働いて、小さいかもしれないけれど自分にとっては大きな奇跡を起こしてくれたのかな、ということでした。

この他にも、この次の日に18番札所恩山寺に行く途中、徳島市内の複雑な道で迷ったときに、おばあさんが突然やってきて車に乗せてくれて、元のコースまで戻してくれたこともありました。あと、8日目の朝、22番札所平等寺に行く途中に間違った道に入っていたことに気づかず歩いていたら、畑仕事をしていたおじいさんが正しい道をこちらが尋ねていないにもかかわらず、言ってくれたこともありました。

突然現れて正しい道に戻してくれたり、こちらから尋ねてもいないのに間違った道に行くことを止めてくれたり…先ほど書いたタイミングの良すぎるお接待のことも考えると、何かしらの存在がお遍路を見守ってくれているような感じを強く受けました。

誇大妄想かもしれないし、ただの気のせいかもしれない。だけど、何か大きな存在が常にそばにいて、あらゆる手を使って導いてくれたのだと思わずにはいられません。

投稿者: dragaliens

30代男性。元教師。 見えない世界に興味がある。 自分を癒やす旅を続けている。

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