銀の龍の背に乗って

つい最近、スピリチュアル関係の知り合いの方々とリモート通話をしていたときの話から。

以前にもどこかのブログ記事で書いたと思うのですが、僕は小学生くらいの時から中島みゆきが好きです。同世代の人たちと音楽の趣味が合ったことはほとんどありませんでした。

ちなみに夜会に行ったことは残念ながら無いのですが、アルバムはそれなりに持っていて、マイカーで流す音楽は中島みゆきのみです。ひたすらみゆきワールドに浸りながら運転をしています。

さて、タイトルにもある「銀の龍の背に乗って」という中島みゆきの曲を知っている人も多いと思います。2000年代前半くらいに放映された「Dr.コトー診療所」というとある島にある診療所を題材にした医療ヒューマンドラマのエンディングテーマになった曲です。

中島みゆきはこれまで様々なドラマの主題歌を作ってきました。これは彼女に限らずドラマ主題歌を制作するシンガーソングライター全員に言えることなのですが、制作者にはドラマのテーマに合う歌を作ることが求められます。当然ですね。

記憶に新しいところでは、2014年~2015年にかけて放映されたNHKの朝ドラ「マッサン」に「麦の唄」という曲があります。主人公であるエリーの生まれ故郷であるスコットランドを思い起こさせるようなバグパイプの音色、日本で生きていくことへの決意と迷いと望郷の念が入り混じった歌詞など、随所にドラマの要素が散りばめられています。

少し遡ると、1994年の「家なき子」では「空と君のあいだに」という曲を提供しています。中島みゆきが「家なき子」のスタッフから主題歌の依頼を受けたタイミングでは、ドラマの内容が「ホームレスの子どもと犬」という設定しかなく、その情報だけで作った曲が「空と君のあいだに」です。後のインタビューで中島みゆき本人は、「犬から見えるのは、”空”と”君”と”雨”だけですから」と言っていました。ドラマを見たことがある方ならご存知かと思いますが、主人公のすずの傍にはリュウという犬がいました。このリュウの視点から歌詞を作ったのです。

そんな感じで、ドラマの雰囲気にマッチした歌詞を作っている中島みゆきですが、「銀の龍の背に乗って」はちょっと特殊です。医療ドラマなのに、どこかファンタジーチックな歌詞なのです。ドラマでは幻想的な要素はどこにも無いのに、歌詞では銀の龍が出てきます。

「ちょっとファンタジーだけど、でもそれもいいなぁ」などと、あまり詩を深く読まずになんとなく聞いていた僕ですが、「MIYUKI NAKAJIMA 21st CENTURY BEST COLLECTION 前途」というアルバムについていた本人による曲にまつわるエピソードの付録を見たときには驚愕しました。

なぜ”銀”なのかという問いには、手術用のメスの色だからとお答えしています。

ー Liner Notes: 中島みゆき 1. 銀の龍の背に乗って

  MIYUKI NAKAJIMA 21st CENTURY BEST COLLECTION 前途

そうなんです。銀の龍はつまり手術用のメスのメタファーだったのです。「銀の龍の背に乗って」というのはつまり、「メスを握ってその上に指をのせて手術に向かっていく」という状況を比喩的に表しているのです。そう考えると合点がいって、歌詞のあらゆる部分にドラマのイメージが盛り込まれているのがわかります。

自分の読解力の無さを嘆くのと同時に、やっぱり中島みゆきの詩の持つ力の凄さに震えた記憶があります。

そもそも龍自体がエネルギーの流れを現したものでもある(+高次元の存在そのものでもある)と個人的には考えていますし、古代からそれこそ風のうねり、水流、大蛇などを龍に喩えてきた話はいくらでもありますから、手術用メスを龍に喩えるというのもアリなのかもしれませんね。

投稿者: dragaliens

30代男性。元教師。 見えない世界に興味がある。 自分を癒やす旅を続けている。

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